サッカーで大切なのは「反応速度」ではなく、最初の一歩の速さ

「うちの子は反応が遅いんです。」
保護者の方から、このような相談を受けることがあります。
しかし、実際には反応速度そのものが遅いのではなく、動き始めるまでの準備(予備動作)が多いことが原因になっているケースがほとんどです。
一歩目が速い選手は何が違うのか
試合では、ボールに寄せる場面や相手をかわす場面など、一瞬の動き出しが重要になります。
その時に大切なのは、反応の速さだけではありません。
身体がスムーズに動き出せる姿勢や、無駄のない身体の使い方ができているかどうかです。
立ち直してから動く。
身体を大きく沈めてからスタートする。
足を何度も踏み替えてから動く。
このような予備動作が多いほど、一歩目は遅くなってしまいます。
スロー動画で比較してみると違いが・・・
動き出しの速い選手とそうでない選手に、同じ合図で一斉にスタートしてもらい、その様子をスロー動画で撮影しました。
すると、反応して動き始めるタイミングには大きな差がない一方で、動き出しの速い選手は「最初の一歩」までの動きがとてもスムーズでした。
一方、動き出しが遅い選手は、
- 身体を大きく沈める
- 一度力をためる
- 足を踏み替える
といった予備動作が見られ、その分だけ最初の一歩が遅くなっていました。
つまり、差が生まれていたのは「反応速度」ではなく、「身体を動かし始めるまでの効率」です。
この違いは筋力だけではなく、身体の使い方やコーディネーション能力によって改善できる部分でもあります。
だからこそ私たちは、育成年代では速く走ることだけでなく、「無駄なく動き出せる身体づくり」を大切にしています。
動き出しの速さは技術
「速く走れる子=動き出しが速い」と思われがちですが、必ずしもそうではありません。
50メートル走が速くても、一歩目が遅ければボールには先に触れられません。
反対に、身体を効率よく使える選手は、大きな予備動作がなく、一歩目を素早く出すことができます。
つまり、動き出しの速さは身体能力だけではなく、技術でもあるのです。
小学生だからこそ身につけたい能力
育成年代では、速く走るための筋力よりも、
- 正しい姿勢
- 身体のバランス
- 足の運び方
- 重心移動
- コーディネーション能力
こうした基礎を身につけることが大切です。
身体を思い通りに動かせるようになることで、自然と予備動作が減り、一歩目の速さにつながっていきます。
私たちが大切にしていること
スクールでは、「もっと速く走ろう」と指導するだけではありません。
身体を効率よく使う方法を身につけ、無駄な動きを減らすことを大切にしています。
動き出しが速くなることで、
- ボールへの寄せが速くなる
- ドリブルで相手をかわしやすくなる
- 守備で先に触れる場面が増える
- 攻守の切り替えがスムーズになる
このように、プレー全体の質が向上していきます。
まとめ
サッカーで大切なのは、「反応速度が速いこと」だけではありません。
本当に重要なのは、無駄な予備動作を減らし、最初の一歩を素早く踏み出せることです。
そのためには、身体の使い方やコーディネーション能力を育てることが欠かせません。
育成年代だからこそ、目先のスピードだけを追い求めるのではなく、一歩目を速くするための土台づくりを大切にしていきたいと考えています。
■ プロフィール
川﨑 大介
スポリラサッカースクール代表・指導者
スポーツトレーナー/身体操作トレーナー
プロスポーツ選手をはじめ、ジュニアアスリートからトップアスリートまで幅広い世代への指導・サポートに従事。身体操作トレーニング、コンディショニング、リハビリテーション、スポーツ障害・外傷の予防・改善を専門とし、多くのアスリートのパフォーマンス向上と身体づくりを支えてきた。
また、自身もプロサッカー選手を目指す子どもを育てる親として、成長期の身体づくりやケガ予防、保護者ならではの悩みとも日々向き合っている。
本ブログでは、現場で培った経験と専門知識、そして保護者としての視点をもとに、スポーツパフォーマンス向上、ケガ予防、身体づくりに役立つ情報を発信している。
【専門分野】
・身体操作・動作改善指導
・プロスポーツ選手へのトレーニング指導
・コンディショニング
・リハビリテーション
・ジュニアアスリートの障害予防サポート
・スポーツ障害・外傷への対応

